忘れてた夢
今日、突然に思い出した。
私は中学生の頃なりたいものがあった。
なりたい職業が明白にあった。
所謂「夢」ってやつかな。
音楽が大好きで、ギターが大好きで、
コンポの前に座ってはずっとギターの音を拾ってた。
なりたいものは明白で、
そういった知識やどうやったらなれるのか・・・
模索して部屋に溢れてた音楽雑誌と専門学校のパンフレット。
何が一番驚いたかって・・・
そんなことを夢見ていたこと「自体」すっかり忘れていた自分。
本当にキレイに忘れてた。
高校に入って環境が変わって、
バイトをして始めて自分で稼ぐ喜び。
中学時代とはまるで変わる遊び方。
恋愛。
どんどん流されていた。
「今が楽しければいい」
ギターの音を拾って曲を聴くことも少なくなった。
持っていたアンプも誰かにあげてしまった。
そのことも何とも思わなかった。
いつしか夢に対する気持ちは薄れ、
今やもう、夢を見ていたことすら忘れてた。
なんかね、「なんてありがちな人生なんだろう」っておかしくなってさ。
学生時代は夢も情熱もあって、
でも気づいたら流され何でもない人生。
「そんな気持ちの頃もあったなぁ」って振り返る。
もう本当に使い古されたドラマや漫画の設定みたいでしょ。笑
さらに中学時代って家庭環境が最悪な時でさ、
もうそれもありがち過ぎて笑っちゃう。
あの頃は好き嫌いがハッキリしてて、
自分の好きなものや信じてるものがこの世の正義だといわんばかりの勢いで。
何かにつけて反発したり怒ってたり。
(表に出さなくてもね)
THE 思春期って感じ。
「好き」と感じたらがむしゃらに、
例えそれが間違っていようと、
簡単じゃないと分かっていようと、
「好き」という感情と情熱で突き進んでていけた。
いい意味で周りが見えてないんだよね、きっと。
覚えてしまった計算は頭が勝手に出来るようになり、
ライフスタイルが固まってくれば、
自分に「必要なもの」だけチョイスすることが出来るようになる。
別に今の自分を批判するわけでもない。
過去の自分が羨ましくて仕方ないわけじゃない。
でもね、
ただがむしゃらに情熱と愛情の赴くまま
後先考えず好きなものに没頭して追いかける。
そういったことって10代にしか出来ないのかもしれないなって思う。
あれは「青春」に許された特別な感情なのかなって。
今でも好きなものや夢はある。
でもね、もうあんな風にはなれないよ。
どうすればいいのかよく考えることが出来る。
そのための現実的なプランを考えることが出来る。
そして実行することが簡単じゃないことをよく知っている。
行動するかどうかとか、そういうのは置いといて・・・
もう、そういうことを考えられる時点で成長してるんだよね。
良くも悪くも。
あの頃の感情や行動は、
なんだかんだ言って世間知らずで、
守られてることに気づかない、
「未熟さ」ゆえの感情。
「未熟」だから「子供」だから許される感情の特権。
学生時代に感じた理不尽なんて、ちっぽけなもの。
社会に出たらもっと理不尽なんだよ。
それを知らないゆえの特権。
まさに「青い春」
取り戻すことの出来ない淡い感情。
あぁ・・・
私、すっごい老後に人生を振り返ってる、
みたいな気分です。笑
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